生体医工学研究室(塚田研究室)

入室を考えている3年生へ

研究室見学または現役生との顔合わせをご希望の方は塚田までメールでご連絡下さい.
 ktsukada[at]appi.keio.ac.jp

研究室選択は人によっては人生を左右する大事なイベントです.しっかり考えて後悔の無い選択をして下さい.

学部で学んだ基礎科目,専門科目を基に,医療に関わる光学装置やセンサ・電材の開発,新しい知見を得るための解析手法を外部の臨床医や基礎医学者と連携して研究を進めています.入室時に医療や生物に関わる知識は不要です.学部で学んだ知識を医療分野へ応用したい,というぼやっとした思いがあれば十分です.

生体から情報を得ることはとても難しいのです.そもそも生体由来の電気信号は微弱であることに加え,生体は水を多く含むために外来ノイズを受けやすく,自ずとシグナルノイズ比は低くなります.光学的側面から考えても,生体組織は複雑な屈折率分布を有し,吸収体や散乱体を多く含むため,単純な光の伝搬は全く期待できません.それでも教科書で学んだ電気や光の理論を基にして,必要な情報をなんとか得ることに生体計測の面白さがあると考えています.
医療技術に興味を持ってくれている学生さんは是非とも門を叩いてもらいたいと思います.実際,塚田研の卒業・修了生の中には医療技術の仕事に就く方も多く,とても嬉しく思っております.

また,塚田研の学生は研究室開設以来毎年,国内外の学会で発表を行っています.コロナウィルスのパンデミックが落ち着き,昨年度から国際会議への参加を再開しました.
学会へ行くにはまず要旨原稿を書き,投稿し,忘れた頃に採択通知を受け,旅行の手配をし,
出張申請書類を書き,現地に赴き(特に海外の場合は入国審査などドキドキする場面が多数あります),緊張しながらもなんとか発表し,達成感と共に思うように行かなかった点を悔しく思い,そしてようやく帰路につくのです.学会で初めて海外に行ったという学生も複数います.それなりにエネルギーを要しますが,経験としてしっかり自分に保存されるはずです.

口頭発表であれば否が応でもプレゼン力が鍛えられます.ポスター発表であれば同じ分野の研究者とじっくりと議論したりアドバイスを頂くことができます.私が修士1年で初めてアムステルダムで開催された国際会議で発表したのはもう四半世紀ほど前ですが,そのときの会場の様子や受けた質問など今でも鮮明に覚えています.

卒業・修了単位を得るためだけに勉強や実験を済ませるのも一つの生き方として否定しませんが,学会活動や臨床医との共同研究等,研究を通じて様々な経験をして自身の成長につなげてもらいたいと思います.

四半世紀前の卒業研究生@矢上